太平洋北西域沿岸は、世界で最もコンブ類(コンブ目植物)の多様性に富む地域のひとつです。これらコンブ類の多様性を把握し、それぞれの系統類縁関係の推定を試みています。また一方では、固有種が多数知られている日本産コンブ類は、どこから来て、どのように分布を拡げて(分化して)いったのかについて分子生物学的手法を取り入れて研究を進めています。更に、今後考えられる“コンブ類の生育環境の変化”に備え、各種の遺伝特性の把握と遺伝資源の保全を進めるとともに、より生産性の高い産業種の作出に向けた育種に取り組んでいます。
研究室は北海道大学札幌キャンパス内の北方生物圏フィールド科学センター研究棟にあり、小樽市の忍路臨海実験所を利用して活発な研究を行っています。
- 研究室で取り組まれている主な研究内容 -
・北太平洋沿岸に生育するコンブ目植物(Laminariales)の系統分類
・北日本沿岸に生育するコンブ目植物の多様性の由来の解明
・分子情報を用いた北海道沿岸に生育するカラフトコンブ属植物(Saccharina)の個体群構造の解明
・コンブ目植物のタンパク質プロファイリングによる環境ストレスマーカーの探索
・コンブ藻場、コンブ漁場管理技術の開発
・コンブ株の培養保存と、保存株を用いた種苗作出技術の開発
・コンブ目植物環境耐性株、高品質株の作出
・コンブ陸上養殖技術の開発
・日本沿岸におけるコンブ目植物の分布に関するデータベースの作成と将来予測
など